春になるとスーパーにも並び始めるタラの芽。
タラの芽には見た目がとてもにているものが4種類もあり、総称して『タラの芽もどき』と呼ばれています。
『タラの芽もどき』という名前も気になりますが、山菜狩りに行く方は、間違って食べるとどうなるのか、気になりますよね?
この記事では、4種類の『タラの芽もどき』のご紹介と見分けるポイント、そして私が疑問におもって調べたことをみなさんにお伝えします!
タラの芽を食べるときに必ず必要になる、下処理の方法はご存知ですか?
タラの芽はアクが強いので下処理が欠かせません。
タラの芽を美味しく食べるためにも、下処理の方法もマスターしましょう!
他にもタラの芽を美味しく食べるためのレシピや保存方法もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧くださいね!
タラの芽もどきは見た目がそっくりなこの4種類!
タラの芽はタラの木の新芽の部分で山菜として春にたべます。
しかし、タラの芽は見ためがよく似たものがなんと4種類もあり、『タラの芽もどき』と呼ばれています。
見た目がよく似ているため、山菜をとりに行く方は要注意です。
タラの芽
タラの木の大きな特徴は、幹や枝にたくさんの細く鋭いトゲがあることです。
幹や枝だけでなく、葉の付け根にも細かいトゲがあるので、新芽を摘む時にも確認すると良いですね。
タラの木は成長しても4m程と、そこまで大きな木ではありません。
ウルシ
ウルシは見た目はタラの芽にそっくりです。
しかし、色がタラの芽とは違い、全体的に赤い色をしていることが多いです。
ウルシの木はタラの木よりも大きく成長し、幹にトゲがありません。
ウルシは触れるとかぶれるので、注意が必要です。人によっては近づくだけでひどく被れるので、極力近づかない方が安全です。
そんなウルシですが、万が一、間違えて食べても問題はないそうですよ。(あくまでも新芽・調理済みの場合)
ただし、タラの芽よりもさらに苦味が強く、舌がピリピリして、お世辞にも美味しいとはいえなさそう…。
しっかり見分けてタラの芽と間違えて食べないようにしましょう!
ハリギリ
ハリギリは幹にはトゲはありませんが、枝の部分には太くて鋭いトゲがあります。
木の表面は暗褐色で、タラの木の数倍に成長するそうです。
タラの木と見分ける時は、トゲのはえている部位と太さで見分けるとよいですよ!
ハリギリはタラの芽と同様、山菜として食べられますので、まちがっても問題ありません。
タラの芽と同じような調理方法で、美味しくいただけます。
コシアブラ
コシアブラは、見た目だけでなく、色もタラの芽に似ています。
コシアブラの幹や枝には、トゲがないので、見分けるポイントになりますよ。
コシアブラの新芽は、つけ根部分がタラの芽よりも長く、はかまの部分が赤くなっているので、じっくり観察すれば見分けることができます。
コシアブラ自体も山菜として食べることができ、天ぷらやおひたしなどでよく食べるそうですよ!
もし見つけたら一緒に収穫しても良いですね!
フキノトウ
フキノトウは、タラの芽と同じくらい有名な山菜ですね。
見ためは似ていますが、タラの芽は樹木の新芽であるのに対し、フキノトウはキク科の植物である「ふき」のつぼみです。
そのため、フキノトウは土から直接芽がでているので、他のタラの芽もどきと比べると容易に見分けることができます。
天然ものに関しては、タラの芽が4月以降であるのに対し、フキノトウは2月以降と若干時期もずれています。
もちろん食べてもおいしいので、見つけたらぜひフキノトウも収穫しましょう!
『タラの芽もどき』は見ためが似ているので、そのように呼ばれていますが、じっくりと観察すれば素人でも見分けることは可能です。
タラの芽もどきはウルシに関してはあまり食べない方が良いですが、ハリギリ・コシアブラ・フキノトウに関しては、山菜なので食べられることがわかり、安心ですね。
タラの木は家庭で栽培もできる!
私はあまり山が好きではないので、できれば行きたくないです…。
でも「一度とれたてのタラの芽を食べてみたい!」と思い、家庭で栽培できないか、調べてみました。
山では4m程度まで成長するようですが、剪定すれば家庭でも栽培できます。
栽培を初めて2年目から収穫可能で、新芽が出たら収穫し、食べられます。
タラの芽の栽培には「ふかし栽培」という方法があり、この方法であればたくさん収穫することが可能です。
ふかし栽培は、1〜2mほどに成長したタラの木を、一芽ごとに切り分け(約10cmほど)、それを水耕栽培で育てる方法です。
瓶やタッパーなどでも栽培できるので、家庭でも一度にたくさんのタラの芽を収穫できるのでおすすめです!
タラの芽の旬や効能をご紹介
タラの芽の旬はいつ?
タラの芽の旬は、全国の山で取れるので時期に差はありますが、だいたい4月〜6月上旬くらいです。
昔から、桜の咲く頃が旬だと言われるそうですよ!
近年はハウス栽培もされているそうで、早いと12月ごろからスーパーに並び出し、2月〜3月にたくさん店頭に並ぶようです。
以前よりも早い時期にスーパーに山菜が並んでいる気がしていましたが、気のせいではなくハウス栽培されていたんですね!
天然物はとても旬の時期が短いタラの芽なので、逃さないように注意しましょう。
タラの芽の効能はこんなにたくさん!
タラの芽は「山菜の王様」とも呼ばれており、豊富な栄養が含まれています。
効能もたくさんあるので、お伝えしますね!
【高血圧の予防】
主に食塩として摂取されるナトリウムは過剰に摂取すると高血圧の原因になります。
タラの芽にはカリウムが豊富に含まれており、このカリウムが体内のナトリウム(塩分)の排出を促し、結果として、高血圧の予防になるんですね!
高血圧が気になる方は、他にも切り干し大根やパセリにもカリウムが豊富です。
またバナナはカリウムが豊富な果物として知られており、食べやすく美味しいのでおすすめですよ。
【不整脈の予防】
タラの芽にはマグネシウムも多く含まれ、不整脈の予防や骨を強くする作用があります。
また、イライラを改善する効果もあるそうですよ!
【妊娠中の葉酸摂取に!】
葉酸は代謝に関係する栄養素で、DNAやタンパク質の合成を促進する栄養素です。
細胞分裂・成熟に大きく関わるため、胎児の成長に影響があります。
妊娠前〜妊娠初期に積極的に葉酸を摂取することで、脳や脊髄の発達異常である「神経管閉鎖障害」の可能性を減らすことができるとされています。
葉酸が豊富なほうれん草が100gあたり110μgなのに対し、タラの芽は100gあたり160μgも葉酸が含まれているんです!
妊娠期に必要な量の葉酸は、食物からの摂取のみでは大変難しいとされているので、ほうれん草を超える量の葉酸を含むタラの芽は、ぜひとも摂取したい食物ですね!
さらに食物繊維も豊富なので、妊娠期にはとてもおすすめですよ!
【美肌効果】
ビオチンやβカロテンが豊富に含まれていて、美肌に効果的です。
βカロテンは強力な抗酸化作用を持つので、アンチエイジングにもなりおすすめですよ!
美肌にアンチエイジングと聞くとこの春絶対に食べたいでですよね?
いかがでしたか?このように栄養豊富で、たくさんの効能が期待できるタラの芽ですが、アクが強く苦いので、食べるには下処理が欠かせません。
タラの芽の下処理方法
アクの強いタラの芽は、下処理が不可欠です!とても簡単なのでご紹介しますね!
- タラの芽の茶色のはかまをとり、水洗いして塩を加えた熱湯で1分ほどサッとゆでる
- 冷水にとり、ザルにあける
- 水気をしぼる
簡単ですね!あまり茹ですぎると、せっかくの栄養素が水に溶け出してしまうので、サッと茹でるようにしましょう。
ちなみに、天ぷらにする場合は下処理は必要ないので、はかまの処理だけ行い、そのまま調理しましょう!
タラの芽は天ぷら以外にもレシピがたくさん!
タラの芽といえば天ぷら!というご家庭は多いのではないでしょうか?
でもタラの芽のレシピは意外とたくさんあります!
タラの芽の天ぷら
タラの芽のレシピでまず思いつくのは、天ぷらですよね?
タラの芽独特の苦味やえぐみが軽減されて、とてもおいしいですよ。
そして、先にもお伝えしましたが、天ぷらだけは下処理の必要がないんです!
私はとてもめんどくさがりなので、下処理の必要がないのはとてもうれしいです。
少しでも手軽に料理したい場合は天ぷらが簡単で食べやすいですね。
天ぷらをカラッと美味しく揚げるコツをご紹介しますね!
【氷水を使うこと】
天ぷらがカラッとあがらないのはグルテンが発生するからです。
このグルテンは低温で混ぜることで発生しにくくなるので、氷水を使います。
【粉をまぜすぎない】
粉がダマになって残っている状態でいいです。私はほとんど混ぜません!
理由は上記と同じで、粉と水が混ざれば混ざるほどグルテンが発生するためです。
私はこの2点を守って天ぷらをあげはじめてからは、失敗していないので、あなたも一度ためしてくださいね。
タラの芽のおひたし
【材料】
- タラの芽(下処理すみ)
- めんつゆ
- ごま油
- すりごま
下処理をしたタラの芽にめんつゆとごま油をかけ、すりごまをかけるだけ!
少し大人の味ですが、タラの芽を堪能できます。
めんつゆ&かつおぶしも美味しいのでおすすめですよ。
タラの芽の豚肉巻き
【材料】(1人分)
- 豚バラスライス(150g)
- タラの芽(6個)
- めんつゆ(2倍濃縮)(大さじ3)
- みりん(大さじ1)
- ごま油(小さじ1)
- すりごま(お好みで)
下処理済みのタラの芽を、豚肉で巻き、ごま油で焼きます。
焼き色が付いたら、めんつゆとみりんを加え、焦げないように転がしながら、テリがでるまで焼きましょう。最後にすりごまをかければ完成です!
タラの芽とあさりの春パスタ
【材料】(1人分)
- パスタ(80g)
- タラの芽・下処理すみ(3つ)
- アスパラ(1本)
- キャベツ(2枚)
- あさり(お好みで)
- オリーブオイル(大1)
- 白ワイン(20ml)
- とうがらし(半分)
- ニンニク(お好みで)
- 塩・こしょう
アスパラ・キャベツ・タラの芽は下茹でして、食べやすいようにカットします。アスパラは薄めにカットしておきましょう。
オリーブオイルにニンニクととうがらしを入れて、弱火で焦げないようにじっくり炒めます。
そこにあさりと白ワインをいれ、蓋をしてあさりが開くまで蒸し焼きにします。
あさりは開いたら1度取り出しましょう。
あさりを取り出したフライパンに、ゆでたパスタと少量の茹で汁と野菜を入れて軽くいため、火が通ったらあさりを戻し、塩胡椒で味付けをすれば完成です!
山菜の代表的な料理方法である天ぷらのコツと、天ぷら以外のレシピをお伝えしましたがいかがでしたか?
タラの芽もどきである、ハリギリ・コシアブラ・フキノトウも、同じような調理方法で食べることができますよ。
ぜひ春が旬の山菜を、いろいろな方法で美味しくいただきましょう!
タラの芽の保存方法は冷凍がおすすめ
タラの芽を保存するなら冷凍がおすすめです。
タラの芽は洗った後、よく拭いてから、はかまの処理を済ませておきましょう。
ラップに1食分づつ分けて包み、冷凍用保存袋にいれて冷凍保存します。冷凍庫で約2〜3週間は保存可能です。
冷蔵庫で保存する場合は、タラの芽を水にさらしてから、新聞紙につつみ、さらに穴のあいたポリ袋にいれて野菜室で保存します。
保存期間は約2〜3日ほどなので、注意しましょう!
まとめ
- タラの芽とタラの芽もどきの見分け方は、トゲの有無とはえている場所。色なども違うのでよく観察しよう!
- ウルシ以外のタラの芽もどきは山菜としても食されるので間違えても問題なし
- タラの芽を家庭で栽培する場合はふかし栽培にすると手軽でたくさん収穫可能
- タラの芽は天ぷら以外の調理方法で食べる時にはかならず下処理が必要
春の味覚、タラの芽を収穫する際には特にウルシに注意しましょう!他のタラの芽もどきは食べてしまっても美味しくいただけます。
タラの芽はたくさんの効能が期待できる栄養豊富な食材ですが、天然物は収穫時期が短いので逃さないように気をつけましょう。
料理をするときは、下処理を忘れずに!春の味覚を楽しみましょう。
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